
はじめに
今回はトラックの床板材や屋外での高強度な用途でよく目にする「アピトン材」について書いていきます。その特徴やメリット・デメリット、主な産地などをまとめました。当社でもアピトン材の取り扱いがございますので、詳しくはこちらの記事もご一読ください。
アピトン材とは
アピトンは、アジア南部から東南アジアに広く分布する南洋材の一種で、フタバガキ科 ダイプテロカルプス属に属する木材です。インド・スリランカからインドシナ半島、さらにインドネシアやフィリピン、ボルネオ、バリ島まで分布域が広く、その種数は約70種類以上とされています。

この地域の木材の中でも特に用途が広く、現地では主要な市場材として扱われ、輸出量も多い代表的な木材の一つです。広範な産地ゆえに、地域ごとに多様な市場名をもつことも特徴です。
主な市場名と産地
同じフタバガキ属であっても、分布域が広いために生育環境が大きく異なり、乾燥地・湿潤地などの違いから材質のばらつきが見られることが知られています。
アピトン(Apitong):フィリピン
クルイン(Keruing):インドネシア、マレーシア、サラワク
ガージュン(Gurjun):インド、ミャンマー、バングラデシュ
ヤン(Yang):タイ
チュテール(Chhoeuteal):カンボジア
ヤウ(Dau):ベトナム
アピトン材の特徴
辺材は淡い黄白色〜やや赤みを帯びた褐色で、時間が経つと灰褐色へ変化します。
心材は灰赤褐色〜赤褐色で、こちらも大気にさらされるにつれて徐々に濃い色味へと変わります。
■材質・性能
木理:通直〜わずかに交錯
比重:高く、重硬な性質
耐久性:比較的高い
水分・湿気への強さ:良好
重厚で耐久性に優れることから、トラックの床板材をはじめ、屋外での使用や高強度を求められる用途で広く利用されてきた理由がここにあります。
アピトン材を使用するメリット

①強度・耐久性が高い
アピトンは比重が高く、繊維構造が緻密なため、曲げ・圧縮・摩耗に対して優れた強度と耐久性を有しています。
②重量物に強く、滑りにくい
比重が高く表面硬度が高いため摩耗に強く、さらに樹脂分(ヤニ)を含むため荷物との摩擦が生じやすく、トラック床材として滑りにくい特性があります。
③耐水性・耐腐朽性に優れている
木材の腐朽(腐って痛むこと)の原因は、主に水分の浸入によって腐朽菌が繁殖することにあります。
アピトンは木材内部にヤニ(樹脂分)を多く含み、組織が緻密で水を吸い込みにくいため、耐水性・耐腐朽性に非常に優れています。
その特性から、トラックの荷台など、長期間にわたり雨や日光にさらされる過酷な環境下などで活用されます。
④供給量が比較的安定している
昨今、環境規制の強化や輸出規制の影響により、原木丸太の輸入が年々難しくなる中で、アピトンは他の南洋材と比較すると流通量は多く、現在も商業材として広く利用されています。
アピトン材を使用するデメリット
■長さが短くなるほど日割れが生じる
長さが短い材ほど、乾燥過程で生じる端割れ(干割れ)の影響を受けやすく、使用できる有効期間が短くなりやすい傾向があります。
また、断面(幅・厚み)が大きい材では乾燥時の収縮差が大きくなるため、干割れが発生しやすく、割れ止め処理などの対策が推奨されます。
弊社では、割れの対策として割れ止め剤の塗布を推奨しております。
割れ止め剤の塗布により割れの発生を抑制し、急激な乾燥によるひび割れを防ぎます。

※画像は弊社にて丸太を沈めている様子です。
まとめ
今回はアピトン材についてご紹介しました。
強度や耐久性に優れ、トラックの床板などさまざまな用途で使用されている実用性の高い木材です。
弊社でもアピトン材製品の販売を行っていますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。
執筆者紹介
加藤 徳次郎
株式会社ヤトミ製材 代表取締役社長
1965年生まれ愛知県出身。その後、シンガポール・マレーシア・アメリカの製材工場勤務を経て、1989年(24歳)ヤトミ製材に入社。47歳の時、代表取締役に就任。木材業界35年以上の知識と経験で、御神木の保存活動やアピトン材の取り扱いなど、製材のみに留まらず多岐にわたって活動している。趣味はスキーとカメラ。
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